小児歯科の先生とお届けするコラム総集編、2回目です。前回は赤ちゃんの歯や赤ちゃんの歯や歯並びについてお話しました。今回は、ママが誰でも気になる赤ちゃんの「虫歯」についてお送りします。
[clink url=”https://mamatx.net/column/tooth-column1/”]
虫歯は【歯の色】と【歯のすき間】をチェック!
歯科医師は、むし歯の判断をする時、まず歯の色をチェックすることから始めます。
乳歯の最表面は、エナメル質と呼ばれ、下の画像の様に【白色】です。
もし色が変だな?と感じた場合、歯科医院に連れて行きましょう。
そして乳歯の前歯は、歯並びよりも歯のすき間があるかどうかが重要となってきます。
すき間が“ある”場合、食べ物が残らないのでむし歯になりにくく、歯磨きも不要です。
反対に、歯と歯のすき間が“ない”場合、詰まった食べ物が取れず、特に上顎前歯に虫歯ができやすくなります。
上の画像はすき間がありますが、下の画像は、すき間がないため、虫歯になっています。
上の前歯は、食べ物(特にアメ)が残りやすいです。
反対に“下の前歯”は、舌が頻繁に触れたり、沢山の唾液によって食べ物が洗い流されるため、口の中ではもっとも虫歯になりにくい場所となっています。
つまり、乳歯のむし歯は、歯磨きが上手とか下手ではなく、どこに食べたものが残りやすいかでほぼ決まります。
歯にすき間があれば、歯磨きをサボり気味でもOK!
すき間がなければ、フロス(糸ようじ)を使ってみてください!
そして、乳歯も永久歯も、虫歯ができやすいところは同じです。
【1】歯と歯の間
【2】奥歯の溝
【3】歯と歯肉の間
反対に、その他の箇所は虫歯になりにくいため、歯磨きもサボって構いません。
そして、1歳半になったら、ぜひ歯科医院に連れていきましょう。
子どもの歯に合った歯磨きのポイントについて確認できます。
↑TOPに戻る
虫歯はどうしてできるの?
そもそも【虫歯】はどうしてできるのか、皆さん知っていますか?
私たち歯科医師が大学の歯学部で一番最初に学ぶ下の「カイスの輪」についてご説明します。
【1】歯の質
歯の表面のエナメル質の薄さや密度は、個人差があります。
それは生活環境や遺伝など、様々な要因で異なります。生まれつき歯が弱くてむし歯になりやすい人も。
【2】細菌
口の中には、虫歯や歯周病を引き起こす多種類の細菌が存在し、これをゼロにすることはできません。
【3】糖分
虫歯菌が好むお菓子やジュースに入っている「ショ糖」や炭水化物や果物にも「糖」は存在します。
【4】時間
悪い口内環境が長時間続くと、虫歯ができやすくなります。
虫歯菌であるミュータンス菌は、歯の表面に付着するため、歯が生えていなければ、虫歯になりません。
さらに虫歯菌が、砂糖(糖分)を食べて酸を出し、その酸によって歯が溶けてしまった結果が、虫歯と呼ばれる穴です。
もともと【カイスの輪】は、「歯の質」「細菌」「糖分」の3つでしたが、後から「時間」が追加されました。
要は、かんたんに歯は溶けない!ということです。
繰り返し繰り返し攻められて初めて、虫歯ができると言えます。
↑TOPに戻る
歯磨きやフッ素はいつから始めるの?
0才の口の中には、大人と違いほとんど砂糖が入りません。
そのため歯が生え始めた頃は、【細菌】を減らすための歯ブラシは必要なく、「食後に歯をガーゼでふき取る」だけで大丈夫です。
しかし、お兄ちゃんお姉ちゃんがいて、お菓子などが早い時期から始まってしまう場合は別です。
フッ素(フッ化物)を塗り始めるのは、上下の前歯が生えてきた頃から。
乳歯の場合には、歯磨き粉は使わず、そのまま歯を磨くかガーゼでふき取り、最後にフッ素ジェルを塗るのが効果的です。
【歯の質】を高めるためにも、ぜひ試してみましょう。
しかし塗ったからといって安心せず、歯みがきの習慣や糖分を控えた食生活をすることが大切です。
↑TOPに戻る
添い乳は虫歯になるの?
1才を過ぎると糖分を取る機会が増え、細菌が歯に付着しやすくなります。
そこに母乳を与えたまま眠り、母乳が口の中に長く残っていると、むし歯リスクが高まります。
母乳を飲みながら寝てしまう「添い乳」を続けている間は、糖分を控えた食生活や歯磨き(フッ素塗布)をすることで虫歯リスクを減らしましょう。
また昼間よく遊ばせることで、母乳にたよらず眠れるようになるかもしれません。
子どもの様子をみながら卒乳の準備をしていきましょう。
[clink url=”https://mamatx.net/column/childcarecolumn02part1/”]
↑TOPに戻る
【まとめ】赤ちゃんの虫歯予防
0~1才のデンタルケア、しっかりと対策をして虫歯ゼロをキープしていきたいですね。
・歯が生え始めた頃は、歯ブラシではなくガーゼでふき取る!
・うがいができない月齢は、フッ素(フッ化物)を活用しよう!
・添い乳を続けるなら食生活の見直し&フッ素で対策を!
・歯が生えたら、離乳食や授乳後はなるべく早く口の中をきれいに!
↑TOPに戻る
※本コラムは、ライターAoiが過去の専門家コラムを参考に、再編成しております。
参照:日本小児歯科学会
(ライター Aoi)
東北出身。就職を機に上京。
現在は子どもを保育園に預け、都内で働くママとして日々時間に追われています。
特技は絵画やイラスト、写真撮影などの創作活動。
趣味はスノーボード。
二児の母として日々奮闘中ですが、自信の子育て経験も踏まえ、
子育て中の皆さまへ有益な情報を届けられるように頑張ります!