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第7回 子育ての軸、持っていますか?

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第7回 子育ての軸、持っていますか?

おおたかの森助産院
山本正子先生

「やだやだ、これ買って」「もう帰りたい」「まだ遊びたい!」
赤ちゃんから幼児へと成長した子どもは、
かんしゃくやグズグズをおこしますね。
お母さんが「どう向き合えばいいのだろう」と悩むこともあると思います。

今回から、私の専門分野である親子のコミュニケーションや
しつけのお話をしていきます。

※断乳・卒乳などの全バックナンバーはこちら

どんな子どもを育てたいか

きっとお母さん自身、「子どもをどう育てるか」迷いますよね。
「ありがとう」と言える子に、人に優しく、などご自身の信条を
伝えていることと思います。
「どんな子どもを育てたいか」考える際に参考にしていただきたいのは、
いまの日本の教育です。

3歳から始まる日本の教育は、どうなっている?

お母さん方の子どもの頃は、まだ詰込み教育だったでしょうか。
日本はその後ゆとり教育へ舵を切り、結果学力が低下しましたね。
そして今は変化の激しい社会で「生きる力」を育てることを大目標に掲げています。

自分で判断して、自ら課題を見つけ、行動する…生涯を通してとても大切なことですね。
このような態度を、もう3歳から求められる時代です。

3歳までに、こうした視点を持ってお母さんが接しているのと、
そうでない場合とでは、随分お子さんに差がついてしまいますね。

変化した教育 ―大人も生きる力を求められている

私たち助産師や保健師の試験も、昔は知識を問うものばかりでした。
◆問題例)乳腺炎にはうっ滞性と(  )性がある。( )に入る言葉を書きなさい。

ですが今は、より状況判断を求められる問題へ変わっています。

◆問題例)第1子の低出生体重児。生後6日、2,400gで退院した。生後20日に家庭訪問した。児の体重は3,000g。母親は、「この子はよく泣くし、母乳が足りているのか不安です」と言う。保健師の対応で最も適切なのはどれか。
1.「この時期の子どもは泣くものですよ」
2.「泣くたびに母乳をあげましょう」
3.「ミルクを足してみましょう」
4.「体重増加は順調ですよ」
※第99回 保健師国家試験より

実は航空パイロットの養成も、知識の詰込みでは異常時に正しく判断し行動することが
出来ないと判明し、ロールプレイングでの学習へ変わっているそうです。
このように知識を持って、自ら考え、意欲的に取り組むよう、社会の学びは変化しています。

そこでお母さん方へお伝えしたいことは、2つあります。

①赤ちゃん時代から「生きる力」を育んでいきましょう

例えばおもちゃをただポイっと渡すのではなく、お母さんの手のひらに乗せて、
「どうぞ」と目の前に出してあげる。それを取るかどうかは、赤ちゃんの判断に任せて、
取らなければ置いておけばいいでしょう。

また「これほしい、買って」と言われたときに、どう対応していますか?

母「どうやって遊ぶの?」
子ども「くまちゃんと一緒におままごとするの」
母「そう、じゃあ買おうか」

など、親子での話し合いがありますか?
むやみに「高いからダメ」「なんでも買ってあげる」ではなく、ご家庭でルールを決めて、また理由や用途を聞くことで、子どもの考える力は養うことができますね。

とはいえ、子どもへ理由を聞くわけにはいかない場合もあります。
そこで大切になってくるのが、しつけです。
しつけについては、次回以降にしっかりとお話しさせていただきますね。

②お母さん自身は、「生きる力」を持っていますか?

20代30代の方は、自分の好きなことは分かっているけれど、人生をかけてこれをする!と意欲的に取り組んでいらっしゃる方はなかなか少数派だと思います。

自分の人生の花を咲かせましょう

子育ての軸を持つことは、実は、お母さん自身の人生の軸を持つことに通じます。
上司がブレていると、部下はどうすればいいか分からなくなりますよね。
それと似ていて、お母さん自身に、ぜひ人生の軸を育んでいって頂きたい。

その際に、上述の「生きる力」の考えをヒントに持ちながら、
お母さん自身の人生を大切に、子育てをなさるといいのかなと思います。

参考:平成30年4月1日から施行される幼稚園教育要領
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2017/05/12/1384661_3_2.pdf

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