食育で野菜嫌いを治そう!食べることが好きになる! ~旬の野菜の3大メリットを解説&冬の野菜のレシピ特集~

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子どもと親たちに食の楽しさを伝えるため料理研究家の先生とコラボ「食育で野菜嫌いを治そう」というテーマのもと、不定期に連載コラムをお届けします!
今回のコラムは、 “旬の野菜の3大メリットを解説&冬の野菜のレシピ特集” をご紹介します。

一生懸命作った愛情栄養たっぷりの料理だからこそ、愛する我が子に食べてほしい!
でも食べてくれなくてガッカリ…。
そんなママやパパたちの頑張り、毎日のように繰り返される落胆、よ~くわかります。

苦手な野菜も、メリットを賢く学んで、おいしい料理に大変身!
子どもたちの食べるきっかけを作ってみましょう。
「この野菜って、こんな栄養があったんだ!」「今日は食べてみようかな?」
苦手な野菜も、まずは一口食べてみるところから!
今回のコラムでは、体が温まるスープから、みんな大好き甘~いおやつのレシピまで。
冬の行事に関わりのある野菜も紹介しちゃいます!

旬の野菜の3大メリットを親子で学んで、旬の野菜を取り入れたおいしいレシピも、ぜひチャレンジしてみてくださいね♪

小さなお子さんには、第一回コラム【季節の絵本で野菜好きになる 春・夏・秋・冬】も、ご一緒にどうぞ。

旬の野菜は栄養・機能・価格面でメリットだらけ!

「旬の野菜がいいと言うけれど、旬の野菜って何でいいの?」という素朴な疑問にお答えして、その3大メリットを紹介します。

*旬の野菜の栄養価がすごい!

冬が旬のほうれん草の場合、冬のほうれん草と季節外れのほうれん草の栄養価を比較すると、2倍からそれ以上の違いがあるそうです。ほうれん草は、寒風の中で身を守るため、ぎゅっと身を引き締めて糖度が増し、ビタミンCは夏場に比べて3倍も多くなります。
ほうれん草
冬のほうれん草は、低温の中でじっくりと太陽光線を浴びて、地道に光合成をおこなっています。そうすることでじわじわと良質な栄養分を蓄えているのです。

ところが、ギラギラと太陽が照りつける夏季では、その暑さからほうれん草もどんどん水分を欲して促成栽培の状態に…。スピードアップして育ったほうれん草と旬のほうれん草では当然、蓄えられている栄養分や味わいが異なってきます。

また、どんな食材ともよく合うので、おひたし、白和え、炒めもの、スープなど、和洋中オールラウンドで大活躍♪甘みを増して肉厚になった冬場が旬のほうれん草を、食卓にもたくさん取り入れたいですね。

●ほうれん草は「アク取り」をしよう!
メリット満点のほうれん草ですが、アク(シュウ酸)が強いので、生で食べ過ぎるとカルシウムと結びついて結石を作ってしまうことがあります。軽くゆでたら冷水によくさらしてアクを取りましょう。また、生のまま油で炒めてもアクは飛ぶのですが、炒めすぎてビタミンCが壊れないように気を付けましょう。

*旬の野菜の機能がすごい!

旬の野菜に含まれる栄養素は、その季節に必要な機能をもっています。

●夏の野菜の働き
例えば、夏の野菜は水分を多く含みます。私たちが発汗により失う水分ミネラルを補ってくれ、身体を冷やしてくれます。また、暑さで弱った胃を刺激して消化を助けたり利尿作用を促したりする働きがあります。

●冬の野菜の働き
冬には、ほうれん草・小松菜・白菜などの葉物類、大根・カブなどの根菜類が旬を迎えます。冬の葉物類は滞りがちな血流を良くして血液を浄化し、根菜類に含まれる栄養素は貯蓄性が高く、冷えた身体を温めてくれます。

それぞれの季節に旬の食材をいただくと、その養分は人間の生理に合った働きをしてくれるというわけ!
人間も、野菜も、自然から生まれ出た命、自然の一部だと実感してしまいますね。

*旬の野菜の価格がすごい!

そしてもうひとつ、旬の野菜で嬉しいのは「価格面」
たくさん獲れるからお値段もお安い
私たちの身体に有効に働きかけ、栄養価が高く、お値段が安いって、もう旬の野菜はいいことづくし、食べなきゃ損ですよ~!
お店に行ったら「今が旬の野菜はな~んだ?」なんて、親子でクイズを出しながらのお買い物も楽しいですね。

●11月に旬を迎える野菜
春菊・ネギ・ブロッコリー・ほうれん草・チンゲン菜・カブ・大根・人参・新レンコン・ゴボウ・ギンナン・里芋・長芋・さつま芋・白菜・エンダイブ・レタス・ショウガなど

冬の野菜はなぜ甘い?

冬の野菜は「甘い」と言われます。
これは、野菜が寒さから身を守るために水分を減らして糖分を増やしていくからです。子どもの頃、授業で “水は0℃で凍りますが、砂糖を加えた水は0℃以下にならないと凍らない” という実験をしたことがあると思います。野菜は糖度を高くして、自らを凍りにくくしているというわけ。野菜ってすごいな~と思いませんか?

例えば、冬の野菜である大根の上部が甘くなるのも、この理由から。
地表近くは冷たい外気の影響を受けやすいため、糖度が高いのです。地中深くにある大根の先端部分がやや辛いのは、虫から身を守るためと言われています。物言わぬ野菜ですが、生きる力を間違いなく身につけていると感じます。

旬の野菜 ~~冬の大根レシピ

大根はビタミンC・カリウム・ジオスターゼ・カルシウムなどの栄養素を含んだ野菜です。大根の部位ごとに、特徴とオススメ料理をご紹介します。

上部 甘みがあるため、生でサラダなどに。大根に含まれる消化促進成分ジオスターゼは、熱を加えると壊れてしまいます。ぜひ、生で食べたい部分です。
中部 柔らかく味が染みやすいため煮物などに。
下部 辛味を生かして炒め物などに。
大根の中で最も栄養価の高い部分で、ビタミンA・カルシウム・鉄・カリウムなどを豊富に含む緑黄色野菜です。ビタミンAは脂溶性のため、油と一緒に調理することで吸収率が高まります。野菜炒めに入れたり、ふりかけにしたり、高い栄養価を生かして積極的に使いましょう。

●ムダなく使いきるポイント
大根を買ってきたら、葉をすぐに切り落としてください。葉をつけたままにしておくと、大根本体の栄養を、葉が吸い上げてしまいます。使いきれない時は30秒くらいさっとゆでて、細かく切ってジップロックなどに入れて冷凍しておけば、いつでも必要なだけ出して使えます。
ムダなく使いきるポイント

【大根とささみのショウガスープのレシピ】

大根とささみのショウガスープは、とろみとショウガでぽかぽか!身体があたたまるスープです。ささみは片栗粉をまぶしてあるのでつるんとしていて、お子さんも食べやすいですよ。
大根とささみのショウガスープ
<材料>2人分(下ごしらえ)
◆大根…輪切り状で厚さ2センチ(拍子切り)
◆大根の葉…適宜(刻んでごま油※₁で炒める)
◆長ネギ…4センチ(細切り)
◆椎茸…1枚(細切り)
◆ショウガ…1かけ(みじんぎり)
◆鶏ささみ…1本(1口大にそぎ切りにし、酒と塩※₂で下味をつけ、片栗粉※₃をまぶす)
◆水…300㏄
◆固形コンソメ…1個
◆醤油…少々
<下ごしらえ用>
※₁ごま油…適量(大根の葉炒め用)
※₂酒・塩…適量(下味用)
※₃片栗粉…小さじ1
<作り方>
① 下ごしらえ後、鍋に水・コンソメ・大根を入れて、大根が柔らかくなるまで煮る。
② ささみを1枚ずつ入れる。
③ ささみに火が通ったら椎茸とショウガを加え、味を見て必要なら醤油を加える。
④ 最後に長ネギを入れ、炒めておいた大根の葉をのせる。

旬の野菜~冬のショウガレシピ~

寒い日が続き、家族の健康が気になる季節。
そこで風邪予防に有効な野菜と言えば、「ショウガ」です。
ショウガは漢方薬として古くから使われています。

●ショウガの「ジンゲロール」
生のショウガには「ジンゲロール」という成分が多く含まれ、殺菌効果・咳止め効果・解熱効果・吐き止め効果・健胃効果などがあり、風邪の予防に最適です。
ジンゲロールは皮の近くに多く含まれているので、ショウガは皮をむかずに使いましょう。

●ショウガの「ショウガオール」
さて、ショウガにはもう1つ有効成分があります。それは、「ショウガオール」という成分です。
生のショウガを100℃以下の温度で熱すると、ジンゲロールから徐々に水分子が外れて、ショウガオールに変化してくるのです。
ショウガオールには身体を内蔵から温めて冷え症を治したり、脂肪を燃焼させたりする効果のほかにも、血液をサラサラにする、美肌になる、アルツハイマーの進行を遅らせるなど、さまざまな効果があることが研究でわかってきました。
炒め物、鍋、煮物など、積極的にショウガを使ってショウガオールを摂り、身体を温めましょう。

【はちみつショウガのレシピ】

栄養豊富なショウガを手軽に楽しめる超・簡単!はちみつショウガのレシピを紹介します。
ママはお気に入りの紅茶に、はちみつショウガを入れて、ティータイムに。お子さんはお湯や温めたミルクで割っておやつに。レモンみかんをギュッと絞ればビタミンCも摂れちゃいます!
さらに、はちみつショウガに酢・塩・オリーブオイルを加えると、ドレッシングに早変わり~♪
1度作ればいろいろ活用できる「はちみつショウガ」ぜひお試しください。

<材料>
◆皮付きのショウガ…適量
◆はちみつ…適量
◆清潔なビン…1個
<作り方>
① 良く洗ったショウガを皮つきのままスライスする。
② 清潔なビンに入れ、ショウガがひたるくらいまではちみつを注ぐ。
ショウガから水が出てくるので、ショウガとはちみつはビンいっぱいまでいれないこと。
こ・れ・だ・け!です。

旬の野菜~~冬のかぼちゃレシピ

“冬至に食べると風邪をひかない” と言われている栄養たっぷりのかぼちゃは、夏の終わりに収穫して秋が深まる頃まで貯蔵すると、水分が抜け、でんぷん質が糖に変わり、甘みがアップしてより美味しくなります。
店先に出始めたばかりのかぼちゃは、上下で味が違い、上半分はぽっくり完熟に近く、下半分は水分が多く淡泊な味わいです。
秋から冬にかけて完熟を迎えたかぼちゃは、おかずになったりお菓子になったり食卓では大活躍!かぼちゃの持つカロチンパワーで、心も身体も栄養を蓄えながら、実りの秋を満喫したいものですね。

【バターナッツのポタージュスープのレシピ】

かぼちゃの中でも、アメリカでポピュラーな「バターナッツ・スクワッシュ」という品種は、クリーム色の皮にひょうたんの形が特徴的で、ねっとりした果肉は、ポタージュスープにするととてもなめらかな仕上がりになります。
バターナッツスクワッシュ断面図
水分を多く含むので煮物には合いませんが、ソテーして肉料理の付け合せにするといつものお皿がお洒落な一品に!自然なやさしい甘みのバターナッツ・スクワッシュのプリンは子どもたちにも大好評です。
スクワッシュスープ
<材料>4人分
◆バターナッツ・スクワッシュ…1/2個(正味250g)
◆玉ねぎ…1個
◆水…200cc
◆牛乳…600cc
◆固形コンソメ…1個
◆塩・胡椒…適宜
<作り方>
① バターナッツは一口大に切り皮をむき、玉ねぎはうすくスライスする。
② 鍋に①・水・牛乳200cc・コンソメを入れて、材料がやわらかくなるまで煮込む。
③ 火が通ったら残りの牛乳400ccを加え、ミキサーにかけてなめらかにする。
④ 塩と胡椒で味を調える。

旬の野菜と冬の行事 ~冬至~

2021年の冬至は、12月22日(水)
冬至は、1年で昼が最も短くなり、夜が長くなる日のことです。
この日を境に、日照時間が日に日に長くなるため、冬至は“太陽が生まれ変わる日”と、考えられていました。さらに、“再び力が甦ってくる日”と捉え、 “運気が上に向いてくる日” としてお祝いをしたそうです。

そして、冬至には、レンコン、みかん、人参、大根、ほうれん草、にんにく、うどん、ぎんなん、きんかん…など、「ん」のつく食べ物を摂ると、運が呼びこめると言われています。中でも、太陽の色をしたなんきん(かぼちゃ)風邪などを防ぐパワーがあると考えられていたようです。
冬至にはかぼちゃを食べ、子どもたちと一緒に、「ん」のつく食べ物を探してみるのもいいですね。
 冬野菜のレシピ特集のかぼちゃ
また、「ゆず湯」に入る習慣もあります。
ゆずは太陽の色であり、香りはリラックス効果もあるので、なにかと忙しい師走は、疲れを溜めないよう、ゆず湯に入って元気に乗り切りましょう!
 ゆず湯とこども

旬の野菜と冬の行事 ~お餅~

年末になると、店頭に鏡餅や贈答用のお餅が並び、「お餅」が身近に感じる季節になります。
お餅は、お鍋に入れてもよし、醤油と海苔で頂いてもよし。大根おろしやきな粉と一緒に食べても美味しいですね。
そんなお餅は、お正月に子どもたちが楽しみにしている「お年玉」と深い関わりが…
お年玉とおもち
1年の最初であるお正月には、それぞれの家に神様がやってくると考えられており、お正月に飾り付けをしたり、お供えをするのは全て年神様のためだったといいます。
お年玉の「年」は年神様を意味し、「玉」は魂を意味していると言われています。その語源から、“お年玉は年神様の魂のおすそ分け”と考えられていたそうです。

今のように医療が発達していなかった時代、幼児の死亡率が高く、親は子どもが無事に成長するように願いを込めて、神の “御魂の力” の宿る丸餅をプレゼントしたそうです。
現在は、お年玉と言えば「お金」という時代の変化はあるものの、お年玉の始まりを知ると、親が子を思う気持ちにあふれた行事であることがわかります。

また、年神様へのお供え物である鏡餅は、武家社会の風習により、そのお供えものを切ることを避け、手や木槌で叩いて割ることから「鏡開き」と言われるようになりました。

お餅から始まる一年の初行事「お正月」には、昔から家族の繁栄と健康を祈り、無事に1年を過ごせるようにという、深い意味があったのですね。

【茹であずきのレシピ】

鏡開きの後は、焼いたお餅に甘い茹で小豆をかけて召し上がれ~!
ゆであずきレシピ
<材料>
◆小豆…300g
◆砂糖…150~230g
◆塩…ひとつまみ
◆水…適量
<作り方>
① 小豆は水でよく洗い、鍋にたっぷりの水で小豆を強火で5分煮る。 火を止めてから、煮汁を捨てる。
② 再び鍋にたっぷりの水で、小豆を弱火でゆっくりと煮る。途中で水が足りなくなったら、足す。
③小豆が指先で潰せるくらい柔らかくなったら、砂糖を2~3回に分けて味を調整しながら加える。途中で塩も加える。

まとめ

旬の野菜は栄養満点・機能もバッチリ・お買い得!というメリットばかりなのは、おわかりいただけたでしょうか。

季節の変わり目は、朝夕の気温の変化から体調を崩しがちになったり、風邪やインフルエンザなど感染症が流行したり、日々の健康管理が重要になってきますね。
旬の野菜を賢く活用して、おいしく栄養を摂ってみてください。
「今日のお夕飯は何にしよう?」と、迷ったときは…
今回ご紹介した旬の野菜レシピを活用しながら、子どもたちと一緒に、旬の野菜を食べるきっかけにしていただけたら嬉しいです。

そして、子どもたちに「冬至ってなに?」なんて聞かれたら、野菜文化に親しむチャンス!
“百聞は一見に如かず”
冬至に食べると運気が上がる「ん」のつく野菜を探しにスーパーへ!
さらに、親子で一緒に料理を作れたら…
ステキな思い出作りとともに、旬の野菜を知って、食べるきっかけにしてみてくださいね。

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