後半は、枝豆ナスを特集!
それぞれの野菜の栄養や鮮度を見分けるポイント、レシピを紹介します。

7~8月の野菜
「枝豆」栄養と茹で方のコツ

塩茹でするだけで、ビールのおつまみや子どものおやつにも喜ばれる枝豆の旬は、7~8月です。

枝豆の栄養

枝豆は大豆が完全に熟す前の緑色の状態のときに収穫した豆のことです。
タンパク質・ビタミンB1・カリウム・食物繊維・鉄分などを豊富に含んでいます。

枝豆の歴史

枝豆の歴史は古く、平安時代から食されていたと考えられています。
東北地方を中心に、枝豆を細かく刻んでペースト状にした“ずんだ”を用いた、「ずんだ餅」や「和え物」が親しまれてきました。

一部地域では、旧暦9月13日の「豆名月(まめめいげつ)」に枝豆をお供えする風習があります。
豆名月は“十三夜(じゅうさんや)”とも呼ばれ、2021年の十三夜は、10月18日(月)にあたります。

枝豆をおいしく茹でるコツ

枝豆をおいしく茹でるコツは、鍋たっぷりのお湯や枝豆に塩をまぶしてから放置…ではありません!
“蒸し煮”にすることです。
① 鍋に水(コップ1杯)と塩(大さじ1)を入れて火をつける。
沸騰したら、枝豆を入れて蓋をして蒸し煮にする。
③ お湯がなくなってきたら、枝豆の硬さを見て完成。
この方法で茹でると枝豆の甘さが引き立ちます。

枝豆のレシピ
「郷土料理 枝豆の呉汁」

千葉県野田市の郷土料理「枝豆の呉汁(ごじる)」
“呉(ご)”とは、水に浸した大豆を潰してペースト状にしたものを言います。この呉を味噌汁に入れたものが“呉汁”です。
呉汁は、日本各地で郷土料理として伝わっており、大豆ではなく枝豆を使用した味噌汁は“青呉汁(あおごじる)”“枝豆呉汁(えだまめごじる)”とも呼ばれます。

呉汁は冷やしても温めてもおいしく、食欲が落ちる夏に最適な栄養たっぷりのレシピです。

材料

◆枝豆…1袋
◆ナス…2本
◆だし汁…適量
◆味噌…適量

作り方

① 枝豆は茹でてから、さやから豆を取り出し、だし汁を加えてミキサーで細かくする。
② ナスは斜め切りにして、水でアクを抜く。
③ 鍋に①と②を入れて煮立ちさせる。
④ナスに火が通ったら味噌を加える。

8月の野菜
「ナス」栄養と選び方のコツ

ナスの歴史は古く、東洋で長年愛されている野菜の1つです。

今年の夏はナスの歴史に思いをはせながら、おいしいナス料理を味わってみましょう。

ナスの歴史

ナスは有史以前にはインドで栽培されており、奈良時代に中国を経て日本へ伝わりました。
東大寺正倉院の古文書に記載されたのが、日本におけるナスの最初の記録です。

現在は、お盆になると「精霊馬(しょうりょううま)」をご先祖様にお供えする風習が残っています。

ナスの栄養

東洋医学でナスは“身体を冷やす野菜”として位置付けられています。
ナス全体の90%以上が水分で、特出した栄養成分はないものの、低カロリーで、ビタミンCやカリウム、カルシウムなどが少量ながらも含まれています。

ナスの紫色は、アントシアニン系の色素「ナスニン」によるものです。
ナスニンは抗酸化作用のあるポリフェノールの1種で、ナスの皮に多く含まれています。

ナスの栄養をしっかり摂るためには、水溶性の栄養が流れ出さないよう、あく抜きでは長時間水に浸けすぎず、皮ごと調理するのがポイントです。

おいしいナスの選び方

太陽の光をたくさん浴びたナスの外皮は、色が濃くてツヤツヤしています。
おいしいナスを選ぶには、重くて弾力があり切り口がみずみずしいものを選びましょう。

ナスの保存期間・保存方法

ナスは常温保存で2~3日中に食べきるのが基本です。
余った場合は、乾燥を防いで野菜室へ入れます。ただし、冷やし過ぎはおいしさを損ねるので注意しましょう。

ナスは「嫌いな野菜ランキング」の常連

「カゴメ野菜定点調査2019」によると、ナスは2017年からの3年間 、1位のピーマンに続き、「子どもが嫌いな野菜ランキング」で2位をキープし続けています。

1歳から高校生以下の子どもたちを対象としたこのランキングから、ナスが幅広い層に嫌われている野菜であることがわかります。
参照:カゴメ野菜調査隊 第3回カゴメ野菜定点調査

ナスのレシピ
「ころころナスの味噌どんぶり」

子どもの嫌いな野菜ランキング常連のナス。
子どもたちがおいしく食べることができるような味付けと調理方法で食卓に出してみましょう。

材料(2人分)

◆ナス…大1本
◆ひき肉…50~80g
◆生姜…1/2かけ
◆小口ネギ…適量
◆ごはん…適量
◆片栗粉…小さじ1
◆お好みで豆板醤…小さじ1/3

【調味料A】
◆砂糖…大さじ1
◆みりん…大さじ1
◆味噌…大さじ1
◆醤油…小さじ1
◆酒…小さじ1

作り方

① 調味料Aを合わせておく。
② ナスはさいの目切り、生姜はみじん切りにする。
④ フライパンを中火で熱し、油をひかずにひき肉を入れる。
⑤ ひき肉がパラパラになったらフライパンから取り出し、②をひき肉から出た油※(下記<調理のポイント>参照)で炒める。
⑤ ナスの色が鮮やかになったらひき肉をフライパンに戻し、さらに炒める。ナスがとろっとしてきたら調味料Aを入れる。
⑥ 片栗粉を適量の水で溶いて回し入れる。
⑦ ご飯の上に盛りつけ、仕上げに小口ネギを散らす。
<調理のポイント>
●ポリフェノールを多く摂りたい時は、ナスを水にさらさない
●作り方③でフライパンにひき肉を入れた際、フライパンに接した部分のひき肉の色が変わるまでひき肉をいじらない、片面が焼けたら杓文字(しゃもじ)で肉を炒めると、※ひき肉から油が出てくる
●作り方⑤にて、大人向けには好みで豆板醤を入れる

まとめ

夏の野菜は厳しい暑さに耐えるため、多くの水分を含み、色鮮やかな外皮で紫外線から身を守っています。
厳しい暑さや寒さという過酷な環境から、野菜が身を守ろうとして生まれる「フィトケミカル」という化学物質は、人間の免疫力をUPさせると言われています。
湿度も気温も高い日本の夏は、子どもだけでなくパパやママにとっても疲れやすい季節です。
家族で、旬の野菜からおいしく栄養を摂って、元気に夏を乗り越えましょう!
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