年収1,200万円以上で児童手当廃止?!閣議決定された改正案とは?


最近、年収1,200万円以上で児童手当が廃止になるというニュースが話題になっています。
現在の児童手当と改正案で何が変わるのかについてまとめました。

現在の児童手当

現在の支給額、所得制限限度額についてまとめました。

支給額

児童手当は、子どもの年齢や出生順によってもらえる金額が異なります。

児童の年齢 児童一人当たりの月額
3歳未満 15,000円
3歳以上小学校修了前 10,000円
(第3子以降は15,000円)
中学生 10,000円

参照:内閣府「児童手当制度のご案内」

児童手当は原則、申請した月の翌月分から支給となります。
また、毎年6月に現況届を提出しないと6月分以降の児童手当が受け取れなくなります。
申請もれ現況届の提出漏れがないように注意しましょう。

所得制限限度額

現在の児童手当にも扶養親族の数に応じた所得制限があります。

所得制限限度額以上の人は児童手当が1人につき5,000円(月額)に減額されます(特例給付)。

所得制限限度額は以下の計算式で求められます。

所得制限限度額=年間収入額-必要経費(給与所得控除等)-8万円(社会保険料相当)-諸控除(老人扶養親族など)

扶養親族等の数 所得制限限度額(万円) 収入額の目安(万円)
0人 622 833.3
1人 660 875.6
2人 698 917.8
3人 736 960
4人 774 1002
5人 812 1040

参照:内閣府「児童手当制度のご案内」

パパは会社員、ママは専業主婦、子ども2人の世帯で例えてみます。
この場合、扶養親族の数は3人。
パパの年収が960万円以上だと、特例給付の対象となり、もらえる児童手当は月5,000円×2人=10,000円となります。

誕生月で変わる総額

児童手当は、中学卒業(15歳の誕生日後の最初の3月31日)までの児童を養育している方に支給されます。
すなわち、4月生まれの子どもは15歳11か月まで支給されますが、3月生まれの子どもは15歳0か月までしか支給されません。
児童手当の受取総額は最大11か月(11万円)の差があります。
誕生月でもらえる総額が異なるのはちょっと不公平な感じがしますね。

児童手当改正案

2月2日、世帯内で最も所得が高い人の年収が1,200万円以上の場合、児童手当を廃止する児童手当関連改正法案が閣議決定しました。
閣議決定とは「この内容で国会に提出します。」という内閣の意思決定です。
国会で審議されますが、このまま成立すれば、2022年(令和4年)10月支給分から適用されます。

先ほどと同様に、パパは会社員、ママは専業主婦、子ども2人の世帯で例えてみます。
パパの年収が960万円から1,200万円未満の場合は、月5,000円×2人=10,000円。
1,200万円以上の場合、児童手当はもらえません。

児童手当廃止で浮いた費用で待機児童の解消のために、新たに14万人分の保育施設を確保する計画のようです。

まとめ

今回の閣議決定の前は年収を判定する基準を「主な収入者」ではなく、「世帯の合計」という案も検討されていたようです。
主な収入者の年収はそんなに高くないと思っていても、世帯の合計となると共働き世帯にも影響があったのではないかと思います。

まだ閣議決定の段階なので、これから改正内容が変わる可能性もあります。
ぜひ児童手当のニュースにも注目してみてください。

引っ越しでは児童手当の手続きも忘れずに。
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