GoogleやAmazonの創設者、オバマ大統領らを育てた「モンテッソーリ教育」。
3回にわたって、その内容をご紹介していきます。
1回目の今回は、勉強会のご報告。
モンテッソーリ教育の先生から教わったことをお伝えします!
【モンテッソーリ教育ってなに?】
●マリア・モンテッソーリって、どんな人?
モンテッソーリ教育の生みの親、マリア・モンテッソーリは、イタリア初の女性医師。
1900年代に障害児の治療に関わったことがきっかけで、子どもについて多くの発見をしました。
<モンテッソーリが発見したこと>
子どもは「自分でできるようになりたい」と一生懸命もとめている。
子どもは集中する(ときには食事も忘れて)。
教え方にはコツがある(だまって、ゆっくり、順序立ててやり方を見せる)。
子どもは変わる(落ち着き、心から穏やかで、自律※していく)など。
こうした発見と医学の知識をもとに、「適切な時期に適切な環境を整えることで、子どもの自然な自律を援助する」という独自の教育法を構築、世界中に広めていきました。
※モンテッソーリ教育で使われる「自律」とは、自分で考えて、自分のからだをよく使い、自分のやりたいことを展開できる力をいいます。この「自律」を身につけた子どもは、「自立」への憧れをもち、一歩一歩「自立」へと進んでいく、と考えられています。
●モンテッソーリ教育の特徴 ~「敏感期」ってなに?~
モンテッソーリが特に大切にしたのが、0~6歳までにある「敏感期」。「敏感期」とは、ある能力を獲得するために強いこだわりをもつ時期のこと。「運動・小さいもの・秩序・感覚・言語・数・礼儀」などのさまざまな「敏感期」があり、訪れる時期には個人差があります。
例えば「小さいものへの敏感期」は2歳半頃。この間にビーズや虫、石、砂などを心ゆくまで堪能した子どもは、細やかな感覚に優れるそうです。この「敏感期」を軸に、子ども一人ひとりのベストなタイミングで、自然な成長を援助するのが、モンテッソーリ教育の特徴です。
【実際の教育内容について】
●子どもは、どんなことをするの?
モンテッソーリ教育の教室では、自分の好きな「お仕事」と呼ばれる活動をします。例えば2歳だと、パズルやボタン留め、穴あきパンチを使うといった単純なもの。これらの教材は「教具」といい、子どもの「敏感期」に合わせて開発されています。その特徴は、「自分で考えながら手先を使う、本物で美しい教材である」こと。先生は、静かに子どもの「お仕事」を見守り、ときおり丁寧にお手本を見せます。
●つまり、教室に入った子どもたちは…
(1)自分のやりたい「お仕事」を選ぶ
(教具を選択する)
(2)心ゆくまで取り組む
(3)やめたいときにやめる
(4)もとあった場所に片づける
ということを繰りかえします。
キーワードは、「自由の保証と集中」。
一斉活動は少なく、一人ひとりの自主性が尊重される環境です。
●モンテッソーリ教育を受けると、子どもはどう変わる?
自分自身のタイミングに合わせて内なる課題に没頭することで、子どもたちは自信に溢れ、落ち着き、心から穏やかになり、自律へと向かっていくそうです。
【最後に】
「本当に子どもがお仕事に集中するのかな?」と半信半疑でしたが、2歳の娘が真剣に取り組む姿を見て驚きました。また「家庭で取り組めるお仕事はないですか?」と聞かれた先生は、「お手伝いをいっぱいすることです!」と即答。日常の家事は、手先やからだを使うことの連続。料理や掃除、洗濯は何よりの「お仕事」だそうです。
我が家でも早速、バナナを切ることにチャレンジしてみました。まずは家庭で一緒に家事を楽しむことが、子どもの自律へとつながるかもしれません。
(ライター 桃子)